車両別日次収支の出し方他のコラム(「根拠ある運賃」の設定方法)でも見てきた通り、「理想原価」を元に算出をした「1kmあたり変動費」と「1日あたり固定費」を応用することで、車両別日次収支や荷主別収支といった分析も可能になります。ここまで見れるようになると、現場の日々の業務に活かすことができるイメージが沸く方も多いのではないでしょうか。でも、逆に言うと、日々の業務にもっとも活用できそうなイメージがある「日次の収支を見たい」「荷主別に収支を見たい」といったことも、ここまでの「実原価を集計して、それを元に理想原価を設定し、1kmあたり変動費と1日あたり固定費を算出する」という過程を経て、ようやく実現することができるという長い道のりであるということです。ただ、ここまで来てしまうと、とてもシンプルです。例えば保有する2t車ごと、大型車ごと、あるいは同じ荷主に入っている4t車ごとなどで「車両統合」し、その上で、2025年1月〜12月などといった一定期間の「期間統合」することで、それらのグループごとの「理想原価」を設定します。そのデータに対して、デジタコの稼働データと、車両別の日次売上データを紐づけることで、まずは車両別日々収支が見られるようになります。その車両の日次収支は、その車両に対して設定した「1kmあたり変動費」と「1日あたり固定費」をもとに原価を算出する、仮想的な収支で見ていくことになります。例えば、1kmあたり変動費が40円、1日あたり固定費が25,000円の車両が、1日250kmの走行距離だったとすると、その車両原価は35,000円となります。この車両が、1日40,000円の売上をあげたとすると、その車両の利益は1日5,000円となります。逆に、この車両が1日32,000円しか売上があがらなかったとすると、その車両の利益は1日3,000円の赤字となります。また、もう少し詳細にやるとすれば、ここに高速代の収受状況を加味すると、より活用しやすくなります。具体的に言うと、高速代は片道2,000円分をもらったが、本当は往復で4,000円分使っていたとすると、その高速代収支も加味すると、先ほどの車両原価35,000円、売上40,000円の車両の真の利益は高速代収支を加味して、3,000円となるということです。荷主別収支の出し方さらに、この売上データに、荷主名を紐づけていくことで、「日々、どの車両がどの荷主でいくらの売上をあげ、そしていくらの費用がかかって、いくらの利益が残っているか」という情報が仮想的に分かるようになっていきます。このデータを月毎などで集計することで、荷主別収支を見ていくことができるようになります。ここまで見ることができれば、どの荷主さんの収益性があまりよくないかなどが一目瞭然となってくるため、運賃交渉をすべき優先順位をつけることもできるようになります。ちなみに、運賃交渉の優先順位をつけるには、この荷主別収支はもちろんですが、それに加えて、前段の「稼働率」に関するデータも合わせて見ていくことができると、より強力な分析をすることができるようになると考えています。