トラック運送会社の経営には細かさが必要別のコラム(物流会社と運送会社は全く違う)で、「トラック運送会社」の経営は、「物流会社」と比較するとシンプルだと言いましたが、じゃあ簡単なのかというと、そうではありません。そもそも論で言うと、見るべきポイントと細かさが全く変わります。例えば、ビルの建設にあたって元請けである大手ゼネコンは、1000億円の総工費で受注します。それを、基礎工事や鉄骨工事、内装工事や外装工事などへと振り分けていきます。さらに、その内装工事のなかでも、壁材や床材の材料費、そして内装職人さんの工賃など、細かく振り分けられていきます。じゃあゼネコンが、ビル建設における細部の費用まで把握しているかというと、恐らくそうではないでしょう。内装工事屋さんが、職人さんの工賃と、内装の壁材や床材の材料費を払って、いくら儲かっているかというところまでは見ていないはずです。それと同様に、物流会社も、荷主さんから大きな金額の物流費を預かる中で、協力会社のトラック1台ごとに儲かっているかという部分までは目が行き届いていないことが多いはずです。でも、「トラック運送会社」は、自社のトラックが1台ずつ、儲かっているか儲かっていないか、その1運行が儲かっているか、儲かっていないかというところまで目を配らなければならない。というより、それが何よりも「トラック運送会社」の生命線になる。「トラック運送会社」と「物流会社」では見るべき細かさが違うのです。トラック運送会社を取り巻く経営環境さて、そんな風に細かく見ないといけない「トラック運送会社」ですが、昨今は追い打ちをかけるように経営が難しくなってきています。そもそも商売道具の根幹であるトラックの購入費用が大きく値上がりしています。感覚的には、ここ数年で1.5倍近く上がってきているのではないでしょうか。そして、部品価格の高騰や整備士の人手不足の影響も相まって、車両の整備費用も跳ね上がっています。直近は、暫定税率の廃止などにより落ち着きを見せていますが、2025年の前半は、燃料単価も大きく上昇していました。さらには、ドライバー不足でトラックの稼働に空きが出てしまったり、2024年問題による働き方の見直しによりトラックの稼働日数も減少に向かうなど、売上にもマイナス方向の影響が出てしまう環境に置かれているのが現状です。そして、物流二法の改正が決定し、「許可更新制」の導入により、小規模な運送会社などにとってはさらにシビアな環境になっていくことが予想されています。そんな中「適正原価」という言葉が躍り、その設定が果たして吉とでるのか凶とでるのか、固唾を飲んで見守る日々です。ただでさえ、そんな厳しい環境にいるにもかかわらず…。2000万円、3000万円もするトラックを買って、1日数万円の運賃を稼ぎ、そこから燃料代や修理代、人件費や車両費用を払えば、手元に残るのは数千円。下手したらマイナスの仕事もあるかもしれない。ドライバーさんが辞めてしまったら、小規模な運送会社は死活問題で、トラック1台の稼働がまるまるストップしてしまう。燃料代は毎月変動し、何か故障があれば、百万円もの修理費用が吹き飛ぶこともある。だから、「トラック運送会社」の経営は、とても難しい。難しいからこそ、細かくコントロールしていかなければならない。「トラック運送会社」の経営には、コックピットが必要である。色んな指標をしっかりとウォッチしながら、微調整をして、修正していかなければならない。真っ暗闇のなかを何の計器もなく飛行機を飛ばすことができないのと同様に、トラック運送会社もコックピットなしでは経営できないはずである。ただでさえ難しいのに、感覚だけに頼っていては、もっと難しい。トラックの状態、ドライバーさんの状態、そして案件の状態。あらゆることに気を配って、日々きちんと管理していかなければならない。じゃあどうすればいいのか。その答えの一端を探るためにも、ぜひ、他のコラムも読んでみてください。