トラックの投資対効果を「買ってから売るまで」で見るこのコラムでは、「トラック運送会社の経営は不動産経営に近いはずである」という論について書いてみたいと思います。トラック運送会社によっては、トラックは購入してから4年で売ってどんどん新車を購入して回転させている、という会社もあれば、10年くらい乗って乗りつぶすという会社もあります。あるいは、新車は高すぎるから中古しか買わないで、自社で修理しながら使っていく、と決めて運用している会社にも先日出会いました。これは、運送業界の素人の僕からすると、ある意味、「不動産経営」のようにも見えました。物件を買って、賃貸経営をして、出口戦略で売却をする。これと同じことが、トラック運送会社の経営においても行われているように見えます。もちろん、トラックの場合は、故障したり、事故があったりするので、不動産よりも変動要素が大きく、一概に言えない部分もあるとは思います。ただ、トラックを「いくらで買って」「何年間運用して」「最終的にいくらで売るつもりなのか」という算段を持って経営をすることは、非常に重要なことに思えます。いわゆるROI(投資対効果)を「買ってから売るまでの長い目」で考えるということです。でも、新車のトラック価格が高騰しており、加えて中古の市場価格も高まっている今だからこそ、この考え方は非常に重要になってくると思います。例えば、2000万円で買ったトラックを、10年間で乗りつぶすと考えれば、年間の車両費用は2000万円÷10年間で、200万円となります。でも、2000万円で買ったトラックを、4年後に1000万円で売却すると考えて運用するとなると、(2000万円-1000万円)÷4年間で、年間250万円で新車に乗り続けることができるとも言えるわけです。もちろん、後者の選択は、会社に資金調達力がないとできなかったりもするので、どの会社も取れる選択肢ではないかもしれません。また、事故や故障があると、その計画が大きく崩れてしまう可能性もあるので、それがリスクとも言えるかもしれません。ただ、こういう観点で車両の取得戦略を考えるということも、重要になってくる時代だと思います。運賃設定にも活用できる考え方こうした考えを柔軟に持つことは、実は、対荷主さんにとっても響いてくることです。例えば、新車価格2000万円を4年で償却するから、年間500万円、月々40万円ちょっとの車両費用が原価としてかかっているとなれば、運賃はべらぼうに高いものになってしまいます。一方で、同じ車を10年間で運用する計画だとすれば、年間200万円、月々に直すと20万円弱の車両費用となり、先ほどの半分以下の数字になってきます。もちろん、前者の年間500万円の車両費用を見込んだ運賃を満額でいただければそんなにありがたいことはないと思います。ただ、実際の運賃交渉においては、この間の金額が落としどころとなって、車両費用を見込んだ交渉をすることになってくると思います。重要なことは、こうした幅を持って交渉ができるかできないかということで、それによって対荷主さんの説得力も大いに変わってくるのだと思います。