始まりました。社会インフラの横丁から。この番組は、社会の当たり前を支えてくれている人たちの声を、人情味あふれる六興村の隅っこにあるこの横丁からお届けするラジオです。本日も温かいお話や苦労したお話、心に染み渡るお話、そしてこれからの未来につながるお話をお届けしてまいります。今回のゲストは、前回に引き続き、愛知県海部郡飛島村で運送業を営む有限会社コトブキ運輸の永田和仁社長です。全6回にわたってお届けしてきた永田社長のインタビューも、今回がいよいよ最終回。これまでの波瀾万丈な歩みを踏まえ、永田社長が描く「運送業の未来」と、社員一人ひとりが夢を持てる組織づくりについて、熱く語り合いました。%3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F0Ra2U6KRyZGJjIhn5XnCVr%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameBorder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E%0A従業員への想いと「片想い」のジレンマ段林:今回も有限会社コトブキ運輸の永田社長にお越しいただいております。よろしくお願いします。永田:よろしくお願いします。段林:全6回の収録ということで、実はこのポッドキャスト、何回収録にするかほぼ決めずに始めていたんですよね。永田:番組の裏側が見えてしまいましたね(笑)。本当に台本もない。段林:本当に何もないですよね。基本的にはノーカットでお届けするというスタンスです。永田:ちょっとヒヤヒヤしながら「これ、大丈夫かな?」と思って。言葉を選んだほうがいいのかななんて思いながら、ついつい喋っちゃっていますね。段林:これまで過去のお話を色々振り返りながら、今に至る経緯をお伺いしてきました。今回は、いよいよ最終回ということで「未来の話」をお伺いできればなと思います。ひとつ印象的なキーワードとして、永田社長の「親分肌」な一面があると思うんです。自分が仲間に引き入れたドライバーは何とかしていかなければいけないという想いから、給与体系を固定給にされたり。そんな永田社長が、今ドライバーさんに対して「もっとこうしていきたい」と考えていらっしゃることはありますか?永田:今まで僕の想いが、「片想い」だったり、僕の勘違いだったりしたこともあると思うんです。僕は「こうしてあげたら喜ぶかな」と思うんですけど、それはあくまで僕が歩んできた道のりの中での判断なんですよね。必ずしも相手がそれを求めているかというと、そうでもなかったりする。段林:なるほど。永田:僕は、もっとガチャガチャと現場を盛り上げて、荷主さんに認められるほど仕事ができるところをアピールすれば、やりがいも出てきて楽しいと思うんです。でも、みんながみんなそうは思わない。中には「あんまりフィーチャーしてほしくない」という人もいます。段林:うん。永田:「朝出勤して、指示された仕事をこなして、穏便に帰らせてよ」という感じです。例えばうちでは年に一回「安全大会」を開くんですけど、そこでじゃんけんでリーダーを決めて、そのリーダーが発言する、というようなことをやると、「もうやめてよ、そういうの。喋りたくないよ」という人もいるんです。まあ、そう言いながらも来てはくれるんですけどね。段林:なるほど。永田:だから、本当に難しいです。対話を重ねようとしても、僕を相手にすると喋れないという場合もあるので、本部長の安本だったり副本部長の亀井といった女性スタッフを間に挟んで、彼女たちから話してもらうようにしたり。ケースバイケースで対話の形を変えたほうがいいかなと、今は色々と考えています。78歳の現役レジェンドと、前社長が支える現場段林:御社には、長く勤めていらっしゃる方は多いんですか?永田:ええ。それこそ「コトブキ運輸」を設立した当時からのメンバーで、39年勤めている方が一番のレジェンドですね。78歳で、現役のドライバーです。段林:すごいですね。永田:もちろん、トラック協会の適性診断なども受けてもらっていますが、すべてクリアしていますし、本人も「まだ働きたい」という意思があります。事故が続くようであれば、引退をお願いしなければなりませんが、今は年齢を考慮して正社員から時間給という形に切り替えて働いてもらっています。愛知県内から出ない仕事をしてもらっているので、何かあってもすぐに対応できる範囲内で、まだやれるかなと。段林:素晴らしいですね。永田:あとは前社長ですね。今、うちでドライバーとして働いていただいているんですよ。段林:そうなんですか!復帰はされたんですね。永田:ドライバーの仕事ならできるということで復帰されました。この方も、もう30年近いキャリアになりますね。それ以外は、僕が社長になってから引っ張ってきたり、募集をかけて入ってきたりして、僕がコトブキ運輸で歩んできたキャリアとほぼ同じ期間、ずっと一緒にやってくれているドライバーもいます。「えこひいき」と言われても。SNSと裏方のリアル段林:Instagramなどをしていると、会社の顔としてドライバーさんをどんどん出したくなるのではないですか?永田:そうなんですが、ドライバーさんが嫌がります。コロナ禍の時に10人ほど退職がありましたが、それ以降は定着してずっと勤めてくださっているので、機会があれば紹介したいんですけどね。カメラを向けるとパッと顔を背けたり、「いや、俺はそういうタイプじゃないから」と断られたり。トラックを映すくらいならいいんですけど、運んでいる品物は映せないというのもありますよね。本来なら作業風景を映して「うちの会社はこんな雰囲気です、一緒に働きませんか?」とやりたいところですが、郵便局の仕事などは、荷物を映せないので、なかなか難しい部分もあります。段林:確かにそうですよね。永田:その分、バックオフィスを支えてくれている副社長やその娘さんなど、女性スタッフたちが撮影にも裏方仕事にもめちゃくちゃ協力してくれるんです。そうなると、どうしてもSNSではつい彼女たちをフィーチャーしてしまいがちです。すると、昔で言う「2ちゃんねる」のような掲示板で、おそらく元従業員だと思うんですが、「社長は女性スタッフばかりえこひいきしている」なんて書かれたりして。段林:なるほど(笑)。永田:そう取る人もいるよな、とは思います。でも僕としては、協力もしてくれて、長い時間一緒にいますから、必然的に映りますよね。そうなると当然、無給というわけにはいかないので、お給料や休日出勤の手当も出しますし、「たまには美味しいものでも食べに行こうか」と食事に誘うこともあります。以前はそういう様子もSNSに載せていたので、客観的に見れば「えこひいき感」は出るだろうなとは思っていました。段林:そうですね。永田:でも、僕からすれば「だったらあなたも出ればいいじゃない」と思うんです。「そんなに言うなら、えこひいきしてあげるからSNSに出てよ」と言うと「いや、俺はいいわ……」となるんですけどね。どこの会社もこういうのはあると思いますが。段林:結構難しいですよね。3つの柱を太く。実運送、タイヤ、そしてDPF段林:以前、ドライバーさんから「今ぐらいの人数がいい。これ以上増やさないでくれ」と言われたというお話がありましたよね。今、タイヤ販売やDPF洗浄など事業を広げている中で、本業である実運送の車を増やしていく、規模を拡大していくというお考えはあるんですか?永田:考えています。求人も出しています。ただ、「平ボディでシート掛け」は敬遠されがちなので、諦めて一部のトラックは処分しました。一年くらいずっと求人をかけていたんですが、なかなか人が来なくて。他社さんと比べても条件は遜色ないはずなんですが……。ただ、人が来てくれるところに関しては、どんどん増車していきたいです。実運送を伸ばしながら、タイヤ販売も、DPF洗浄も伸ばしていきたいんです。段林:なるほど。永田:実運送が増えてもチャオヤンタイヤがあるので、タイヤの経費は抑えられます。これを上手く循環させながら、あとはあまりいないと思いますが、僕みたいなキャリアの人間を発掘したいなと思っています。段林:ほお。永田:例えば大手企業に勤めていて、組織のコマで動いているのが嫌になってしまって、自分の力を試したいという人。これは、性別は関係ありません。あとは僕自身、仕事をやりすぎて自律神経を崩してしまって、そこから立ち直ってきた人間です。そういうところがある方が、人間的に強くなれるし、人にも優しくなれます。感受性が豊かになれるという部分もあると思うので、そういう人間味だったり。段林:そうですね。永田:あと、副社長や本部長といったピチピチの女性たちを、DPFを施工する人間に育てたいです。今、実はDPF洗浄の担当として交渉している女性が一人いるんです。せっかく作った新たなジャンルですから、色んな可能性を広げて、カンフル剤をバンバンぶち込んでいきたいですね。とにかく行動して、ダメだったら方向転換すればいいんです。今のところ、物流、タイヤ、DPFという3つの柱をぐっと太くしていきたいです。芸人、挫折、再起。運送業を「面白い人間」が輝く場所に段林:人が生き生きと働ける場所を作ること、そして「この会社に出会ったからこそ今がある」と言ってもらえることは、社長にとって大きなやりがいですよね。永田:本当にそうですね。「この子、面白いな」という子はどんどんドライバーとして採用したいです。実際に入れたら、あまりにキャラが尖りすぎて現場から「ちょっとやめてよ」とクレームをもらっちゃうこともあるんですけどね(笑)。段林:尖りすぎている(笑)。でも、たとえば吉本の芸人さんで、M-1が上手くいかなくて夢を諦める……という境遇の方に限定して募集をかけるのはどうですか? DPFの技術を身につけてから、「お前面白いから現場に出て施工してこい!」みたいな。これはどうですか?永田:いいと思います。来てくれるかどうかは別として(笑)。段林:ターゲットを絞れば意外とはまる気がします。永田:そうですね。そういう生き方をしたい人がいれば、どんどん入れたいです。口は回るでしょうから、あとは仕事ができるかどうかですけど。僕もそうでしたけど、芸人ってそれだけじゃ食えないから、あらゆるバイトを経験するんですよ。段林:へえ。永田:土木作業で水道管を掘ったり、夜はパブで働いたり。実は僕が昔働いていた「ロマンツー」という京王線の聖蹟桜ヶ丘駅近くにある店は、Mr.Childrenのベーシストの中川さんも昔バイトしていたらしいんですけどね。そうやっていろんな職種を経験してきた人間が多いので、運送業に入ってきたら業界全体がもっと面白くなると思うんです。段林:そうですね。最近だと、ザブングルの加藤さんが消防点検のして働いていたり、格闘家の入江さんがお掃除の会社をやっていたりするらしいですね。永田:エアコンクリーニングとかね。最近ニュースになっていた、ネットカジノで引退に追い込まれた方なんかも、もしよかったらうちに来てくれるといいですね。プライベートはどうでもいいので、借金を作った分、うちで一生懸命働いてくれれば、食事の補助くらいは出すので!段林:届くかどうかは分かりませんが(笑)。永田:最近の芸人さんは高学歴な方も多いですよね。僕らの頃は、大学へ行く気もない、真面目に働く気もない、こんなふざけた奴は芸人になるしかないと思い込んで東京へ飛び出しました。東京に行けばアイドルと結婚できるかも、なんていろんな夢を持って飛び出したので。それくらい振り切ったエネルギーを持っている人たちが運送業に来てくれたら、めちゃくちゃ面白い業界になるかなと思います。段林:外から見ると、ドライバーの仕事って「ただトラックを運転して運ぶだけ」というイメージを持たれがちですが、実際は現場でのコミュニケーションや細かい作業や覚えないといけないことがたくさんあります。車が同じでも、品物が違えば100通りの仕事がありますよね。永田:そうですね。段林:その辺は僕も知らなかったし、世間ではもっと知られていない。そういうのを伝えていくのは、すごく大事なことかもしれません。永田:それを考えると、うちはSNSをやっていたり、まあまあいいポジションにいますね。今気づきましたけど、実運送、タイヤ販売、DPF洗浄、SNSと、何足のわらじかを履けていて……ぜひみなさんうちに入社してください(笑)!段林:そういうのができてきたら、掛け算でいけますよね。永田:うちは本来、ドライバーさんにもっとSNSに出てほしいんです。この発信のやり方を覚えて、それが飯の種になれば「SNS手当」として給料にプラスアルファしたいんです。段林:面白いかもしれないですね。永田:うちは女性に助けられている会社なので、ドライバーさんでも女性ウェルカムです。なんだったら、男でも女でもなく、性別も心の在り方も関係なく、運送業で一生懸命やりたいという人であれば、誰でもウェルカムなので、そんな会社になりたいと思っています。5年後の野望は「年商10億」。整備工場M&Aと技術の継承段林:面白いですね。まだ最終的なゴールを決める年齢ではないと思いますが、5年後、10年後に「こんな風になっていたい」というビジョンはありますか?永田:僕は、5年後、10年後にこんな自分になれるように、とよくメモを取るんですけど、そこには「5年後は年商10億」と書いています。段林:おお!永田:そして10億にするためには、今ある3本の柱を伸ばすと。段林:実運送でも5億ぐらい。永田:そうですね。そしてタイヤに関しても、脱着もやらないとそれだけ数字を上げることはできないと思います。そのメモ帳には「整備工場のM&A」とも書いてあるんです。そこにタイヤとDPFの事業を合体させれば、整備士の方ならDPFの施工もすぐに覚えられますし、タイヤも扱えます。さらに、うちの近くの飛島(とびしま)には、高校の資格が取れる自動車の専門学校があるんです。段林:ありますね。永田:そこから、川北社長のパクリで新卒を採用して、そこをガチガチに固める。そしたら、次はトラックの中古販売です。カスタムもやりたいんです。よく、専門学校で「スポーツカーを作りました」などありますよね。あれで、デコトラを作ってみたいなと思っています。それで10億いかないですかね?段林:整備の事業があればリアルですよね。デコトラ自体が直接的な利益にならなくても、SNSと掛け合わせれば宣伝になりよねます。永田:イベントに出したり、パーツ販売なども夢ですね。飛島は工業地帯なので、「こんなの作れませんか」と相談できる企業もたくさんあるので、村の中で経済を回せるんです。今、整備士も人手不足と言われていますが、引退を控えた熟練の職人さんの技術を、若い子たちに引き継いでいきたいんです。なぜそう思うかというと、運送も同じじゃないですか。うちの78歳のドライバーさんは、こちらが止めるまで「チャブリでも何でもやるよ」と言ってくれる。そういう「何でもできるプロ」がいるうちに、若いドライバーを入れて、昔話を聞きながら継承して欲しいなと思うんです。段林:なるほど。面白いですね。永田:僕は、コンプライアンス的に色々まずかった時代をゴリゴリに通ってきましたが、これからの時代に合わせたやり方で、仕事のやり方をどんどん若い世代に繋いで欲しいなと思います。運送業という軸はぶらさない。女性が輝き、夢が生まれる場所へ段林:これからのコトブキ運輸さんのミッションは、「いかに運送業界に振り向いてくれる人を増やせるか」にある気がします。そのためには、トラックを走らせるだけでなく、多様な事業を掛け合わせることで魅力が上がって、若い子や性別も関係なくいろんな面白い人が入ってきて、そこでスターになれると。永田:そうですね、そういう会社にしたいですね。僕はこれまで運送業に飯を食わせてもらってきましたから、この業界を少しでも良い形で将来に残す一片になれたらいいなと思っています。コトブキ運輸の長い歴史がこれから先どうなっていくか分かりませんが……息子は今のところ「全く興味ない」と言っていますし、でも、心変わりするかもしれないし。先代から受け継いだこの会社をなんとか残したいと思っています。そのためには、運送だけではなくて、運送に付随する商売もやっていきたいです。もしかしたら、そのうち保育所でも運営しているかもしれません。段林:でもそれは女性が働く環境を整えるという意味では、全然アリだと思います。「ここに子供を預けて安心して働ける」という環境。永田:そうですよね。「タイヤ屋さんになった」なんていじられることもありますが、運送業で飯を食わせてもらったので、僕の軸は完全に運送業ですね。段林:本当に面白いお話をありがとうございました。僕も今、茨城県のつくばで頑張っていて、名古屋とつくばで距離はありますが、永田社長とはこれからも面白いことを一緒にしていければと思います。永田:そうですね。きっと長い付き合いになると思います。僕はどんどん段林社長に甘えていこうと思っていますよ。気になったらすぐパクらせてもらいます(笑)。段林:あはは、僕もパクらせていただきます(笑)。永田:段林社長の周りには今、いろんな輪ができ始めていますよね。段林:そうですね、すごく可能性を感じています。まだ僕には一円のビジネスにもなっていませんが(笑)。永田:それはいずれ。段林:ぜんぜん期待なんてしていませんから。永田:いや、めちゃくちゃ期待している顔をしているじゃないですか(笑)。でも今はうちの女性スタッフたちが本当に頑張ってくれていて、外部にお金を出してお願いするのもいいですが、社内の人間がある程度理解した状態でやらないといけないと思います。以前段林社長にもお話ししましたが、コンサルをお願いして失敗した経験から学びました。トップが何も分かっていない状態で人任せにするのはいけないなと思いました。段林:それは本当にそうだと思います。永田:こんな社長ですが、今はうちのスタッフに支えられているので、もう少しビルドアップした時には、ぜひ六興実業さんのシステムもお願いしますね。段林:ぜひお願いします。永田社長:あまりこういうこと(宣伝)言っちゃいかんのか(笑)。段林:全然大丈夫です。お互いにこの業界をよくするために永田社長と色んなコラボレーションをしていければ、すごく嬉しいなと思います。これからも末長くよろしくお願いします。永田社長:こちらこそよろしくお願いします。ありがとうございました。段林:ありがとうございました!▼前回のエピソードはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/Idj3cAQk▼六興ラジオ【社会インフラの横丁から】シリーズはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/category/rokko-radio▼六興実業公式LINEはコチラ👇https://lin.ee/CBj09Eq