始まりました。社会インフラの横丁から。この番組は、社会の当たり前を支えてくれている人たちの声を、人情味あふれる六興村の隅っこにあるこの横丁からお届けするラジオです。本日も温かいお話や苦労したお話、心に染み渡るお話、そしてこれからの未来につながるお話をお届けしてまいります。 今回は、埼玉県戸田市の株式会社エー・シー・トランスポートの篠田社長をお迎えしたシリーズの最終回です。社長就任の裏側にある事業承継のリアルから、次世代の若手へとバトンを繋ぐ「分社化」という壮大な未来構想まで、篠田社長の経営哲学を余すところなく伺いました。録音ブースに同席している若手幹部の今井さんへ向けられた、熱いメッセージにも注目です。%3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F7MFF81T0D2cW6VUJMVCpZF%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameBorder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E%0A名古屋での単身赴任を経て、満を持しての社長就任段林: 今回、篠田社長の回のラストということで。前回はコロナ禍に名古屋へ単騎で突入というところでした。僕は非合理的と言いましたけど、確かに関東圏でやって食い合うよりは、全く関係ないところを広げるというのは、難易度は高いですけど、やりきれるならめちゃめちゃいいことだなあと思いました。 そのようにして布点を広げて、創業の社長である池永社長が会長になられて、篠田取締役が篠田社長になられて。このバトンタッチは、いつ頃行われたんですか?篠田社長: 僕が今回の決算でまるっと3期ぐらい決算に携わっているので、ちょうど3年半ぐらい前ですかね。段林: じゃあ、2022年……篠田社長: 2022年、そうですね。2022年の前半ぐらい。段林: じゃあコロナもちょっと落ち着き、下火になってきて、名古屋営業所も軌道に乗って、「戻ってこい」と。それはどんな感じだったんですか?篠田社長: 実際、名古屋はもう2年ぐらいで今と変わらないぐらいになっていました。僕がいられなくなるので、1年ぐらいは引継ぎに費やしました。責任者や現場の子たちとコミュニケーションを取りながら、続く体制を作って「満を持して」じゃないですけど、自分の家庭はこっち(埼玉)にあるので。段林: 単身赴任で行かれてますもんね。篠田社長: そう、単身赴任で行ってたので。ちょうど今、一番下の子、3歳なんですよ。段林: おおー、そうなんですね!篠田社長: だからちょうど生まれてすぐに向こうに行った気がするので。それもあって、戻ってきたような感じですかね。段林: そうなんですね。今年3歳になられるんですか?篠田社長: 1月で3歳になった。段林: 僕の上の子が今年10月で3歳になります。篠田社長: 10月。だから学年で言うと1個下かもね、1月生まれなんで。段林: 信じられないですね、そういう状態で。お子さん、野球の全国大会とかに出てるから、もうある程度大きくなってると思っていました。篠田社長: 一番上がもう高校1年だからさ。高校1年と、5年生と、3歳。段林: 結構離れてますね!篠田社長: そうそう。段林: そうなんですね。篠田社長: 名古屋の授かりっ子ですよ(笑)。一番下もね。段林: へえー、そうなんですね! いずれそうやってバトンタッチしようみたいな話はあったんですか?篠田社長: 前々から池永会長は、いろんなところでそんなことを言ってくれてはいたんですけど、いつなるかは分からなかったですけどね。段林: でも、年齢的には正直言ってそんな差はないじゃないですか。篠田社長: 6個違いですね。段林: 篠田社長もまだ45ですし、池永会長もまだ51とか……篠田社長: 俺が47だから、53。段林: 全然まだお若いですよね。篠田社長: はい。段林: 結構早いですね。でも池永会長もトラック協会の方とかでも現役で。「退いた」というよりは、役割分担をちょっと変えたのかなっていう感じですね。篠田社長: そうですね。株式買い取りと個人保証の解除。経営者としての責任と覚悟段林: ぶっちゃけ、取締役から代表取締役社長になる中で、経営には株式や借入の保証もあったりしますよね。言える範囲で、どの辺まで引き継いでやられたんですか?篠田社長: 株は僕はあんまり興味ないというわけじゃないですけど、株をいっぱい持っているから偉いとか云々、会社法のいろいろはありますけど。でも多少なりとも持っていないと責任も負えないので、社長にさせてもらった時に、ちょっと買わせてもらって。段林: そこは自分のお金で。篠田社長: 自分のお金で。段林: 僕は自分が創業してこの会社作っているので、最初に自分で資本金出してという形ですけど。引き継ぐ時に株買うって、すごいなって思います。気合い入んないとできないですね。篠田社長: まあでも、もし何かあったら身内や幼馴染もいたりするから、そこらへんは責任持ってっていう意味で。そういう風になんかあった時には、とは思ってたので、まあ多少なりのお金は残しながらやっていたので。段林: すごいなあ。まだ会長も実際いらっしゃるっていう中で、エーシーさんの規模だと借入も結構それなりにあると思うんですけど、そういうとことかって……でも個人保証がついてることっていうのはあんまりないですか。篠田社長: いや、僕が継いだ時はやっぱりそれなりにありましたよ。段林: あ、やっぱそうですよね。じゃあそれを今もう会社に外してやりながらみたいな、そんな感じとかですか?篠田社長: そうですね。なんとなくですけど創業期も見ているので、経営者になったら一番何が大変かなと言うと、お金の工面がやっぱ大変だろうし、お金の責任が一番大変でしょうから。段林: ですよねえ。篠田社長: それは言われなくても、なんとなく理解できていたタイプだったので。まず一番最初にやったのは、そこらへんをちゃんと全部整理しました。一期をやった時にいい決算ができたので、それを持って全部付いていたものは外してくれっていうのを頼みました。段林: じゃあそこはうまくいったんですね。篠田社長: そうですね。段林: なかなかそういうのって苦労する会社もあると思います。いわゆる中小企業さんは、今一応国のルールとしては、そっちの方向に向いていますけどね。篠田社長: そうですね。段林: まだ六興実業は全然小さい会社なので、僕ですらというか僕だからなんですが、とある地方銀行さんに最初500万円貸してくださいと。で、500万円ありがたいことに貸していただいたんですけど、その見返りで個人の保険に入らされました(笑)。篠田社長: まあそういうの、ありますからね。段林: これ多分本当はダメなんですけど、言っていいのかな(笑)。篠田社長: まあまあまあまあ(笑)。段林: そういうバーターがありました。保証とかはありませんでしたけど、そういうこともありました。次の主役は社員たち。分社化で未来の経営者を育てる段林: 今、社長になられて、篠田社長自身もトラック協会の青年部会などいろんなとこでも活動されていると思います。今後の大きい展望など、これから会社をさらにこういう風に……みたいなのはあったりされるんですか?篠田社長: 会社をどうしていくというのはあれですけど、さっきお話した隣にいる今井だったり、会長にも息子がいるので、会長の息子が何年か後に、入るかも分かりませんが、 展望としてはその時に、もっと会社が発展できるような体制づくりを残しておくことが、僕の仕事だとは思っています。段林: はい。篠田社長: 規模はあんまり求めていないんですけど、今はちょっとずつ規模を大きくして。ゆくゆくはそれぞれの「長」が成長して、それぞれの会社の社長が何人かできて、グループ同士で切磋琢磨しながらやれる環境が一番いいんじゃないのかなと思っています。今は台数も増やして規模も大きくしながら、それをある程度できたら、今後は一旦、分社という形でそれぞれの長に責任を持ってやってもらいたいなとは思っています。段林: なるほど。それって結構難しいですよね。僕は前職の時から実は研修の講師をやっていたんです。いわゆる経営者意識じゃないですけど、そういうような研修をする機会がすごくあって。 で、僕も当時実は、一応子会社の社長だったんですよ。でもあくまで子会社の社長なんで、お金は本当に何もいじらずに、一応業績は責任負うし組織も見るというそんな感じだったんですけど。 当時、子会社の代表取締役の名刺を持って研修をしていても、やっぱりそういう創業オーナーだったり経営者と自分では100対1ぐらいの差をすごい感じて。 で、今自分で改めてこの会社を創業してみると、やっぱり持っている重みが全然違うなと思います。なかなかそれってすごく難しいことだなと思います。篠田社長: やっぱり当事者意識をどこまで持てるかですね。それはあると思います。それはすごい課題だと思いますよ。運送業からの進化。自社倉庫を構え3PLへの挑戦段林: でも面白いですね。じゃあそういう形である程度、まあシマを分けながらこうやっていくと言う形ですね。 最初にちらっと「今は運送を中心にやっています」と一回の自社紹介の時におっしゃっていましたけど。今後いわゆる運送から物流業じゃないですけど、展開として色々やってこうみたいな、業態的な発展とかは考えてらっしゃるんですか?篠田社長: 実際、足回りだけじゃなく……だから今年、本社近くに大きな倉庫2つ借りましたけど、できたらちょっとずつ商流の川上に移りながら、足回りもやれればなとは思っています。段林: うんうん。篠田社長: 3PLと言ったらおこがましいですけど、ある程度自分のところで物抱えて、というところは考えていますけどね。段林: もう倉庫は稼働し始めているんですか?篠田社長: 10月から1個で、もう1個はもう4月、5月に借りたんで、もう1個は稼働してます。段林: えー! じゃあその営業も、篠田社長がバンバン動いて。篠田社長: そうですね。やっています。段林: いやあ、すごいですね。でも理想はそうやって、3PLの部隊はこの子会社、さっき言った新規の冷蔵冷凍部隊をこの子会社、名古屋はこれ、みたいな。そんな感じでやっていけると……篠田社長: いいなとは思ってますけどね。段林: 経営者輩出カンパニーですね。篠田社長: そうそう。さっき段林さんも言いましたけど、自分ごとに捉えられるとより一層面白くなると思うんですよね。段林: そうですよね。篠田社長: その環境をどうやってこう作るかが、一番の課題だと思っています。さっき言われたように、子会社の社長を作るのは簡単でしょうけど、株の問題とかそはありますが、僕は結構フィフティ・フィフティでいいと思っているタイプなんで。段林: はいはい。篠田社長: その代わり裏切ったらねっていう(笑)。知らないよっていう。段林: どうですか今井さん(笑)。 おそらく色々とお鉢が回ってくる気がしますけど。今井さん: 入社してから色々体験させてもらっているので。本当に恩と言ったらあれですけど、会長を含め社長にも、本当に感謝しきれないぐらいだと思っています。本当に、今のエー・シー・トランスポートに尽くすだけだなと思っています。段林: 「ご恩と奉公」というか(笑)。今井さん: はい(笑)。段林: 今これ録りましたからね、しっかりと(笑)。【★コラム】商流の川上へ。「3PL」という事業展開「3PL(サードパーティー・ロジスティクス)」とは、荷主企業から物流業務全般(荷物の保管、在庫管理、流通加工、配送など)を包括的に請け負う事業形態のことです。 指定された場所へ荷物を運ぶだけの従来の「運送」に比べ、3PLは荷主のサプライチェーン全体に深く入り込むため、より付加価値が高く、安定した収益基盤を作りやすいという特徴があります。篠田社長が自社倉庫を構え、この領域に踏み込んだことは、単なる会社の規模拡大ではなく、ビジネスモデルそのものを「商流の川上」へと進化させる大きな一手だと言えます。50:50の覚悟と「中継ぎ」としての矜持段林: でも思考的には中継ぎの意識はまだあられるんですね。結構それは印象的だなと思いました。篠田社長: そうそう。でもやっぱり自分にできることは、意識してやるべきだよなとは思っています。別に俺は創業者でもないし。段林: メンバーではあるものの、そこをしっかりと中継ぎで。篠田社長: そうそうそう。履き違えるから人生おかしくなる(笑)。段林: でもある意味すごい良いバランスですね。すごくいろんなことを深掘りして聞きたくなって、またさらに長くなっちゃうんですけど。一つだけ疑問を投げかけておくと、第2回か第3回ぐらいで「篠田社長はガキ大将ですね」と言いましたけど、そういう親分気質が強くて素敵な部分だと思ってたんです。 篠田社長: いえいえ。段林: でも逆に、創業者がいらっしゃって、立てるとこは立てるというのは、履き違えて「こう俺のもんだ」ってなる人もいるかもしれないですけど。それはもしかしたら僕がまだお会いしてない池永会長の覇王色があるのかも(笑)。何なのか、すごく気になる。篠田社長: でも元からの性格もあるのかもしれないですね。でもバランスは取れていると思いますよ。段林: すごいですね、本当に。なるほど。泥臭く歩んだ道への誇り。そして次世代へのバトン段林: 最後に一つ質問で。 高校時代を振り返って、周りが受験をして大学に行く中「自分はそんなのやってらんねえ」と就職して、「歯車になるよりは」というふうに選んだこの道ですが。後悔はありますか?篠田社長: いやいや、後悔は全くないですよ。親にも言われますよ、「天職だな」って。段林: そうですよね、本当に。めっちゃ良かったですよね。今そういうふうな道を歩んだ同級生と比較すると、もう圧倒的にね。篠田社長: うん。段林: 何がいい人生かというのはそれだけで比較はできないですけど、でも一つの誇れる道を歩んだっていうのはあるかもしれない。篠田社長: そうですね。あと振り返って、「嫌だったな」ともも思わないし、だからそれはいい人生なんじゃないかなとは思います。段林: そうですよね。途中でうんこまみれになったりも……(笑)。多分、ここでは語れないいろんなしんどいところもあったとは思いますが。 でも本当にこの会社を形作ってきた20年強ぐらいですかね。一つここまで来てということで、これからまださらに第二創業じゃないですけど、次の世代を育てていくという、一つの面白いところがあると思いますが。篠田社長: もうちょっと頑張らないといけないんで。段林: 非常にこれからがワクワクするというところで。篠田社長: ありがとうございます。段林: 全5回にわたって、エー・シー・トランスポートの篠田社長回ということで、続けさせていただきました。 ぜひ2年後ぐらいに、今井さん回ということで(笑)。篠田社長: 本当にそれぐらいになっていてもらいたいなと思いますよ。段林: 拠点を立ち上げて、子会社を立ち上げて、やってます! なんていう。実は今井さんにはこないだ僕らの六興実業の交流会にも来ていただいたりして。篠田社長: そうですね。段林: いろんな経営者さんがいらっしゃるので、何名かの社長に「社長はどういう思いで幹部を見てるんですか?」という質問をして。「経営者はどういう思いで、自分の幹部を見てるのか」とめっちゃいい質問をしていました。 2年後ぐらいにご出演いただく日を楽しみにしています。それまで僕らは毎週ポッドキャストをやめずに与太話を続けてまいりますので。篠田社長: 頑張ってください。段林: ということで、本日もありがとうございました。篠田社長・今井さん: ありがとうございました。▼前回のエピソードはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/-12C4quR▼六興ラジオ【社会インフラの横丁から】シリーズはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/category/rokko-radio