始まりました。社会インフラの横丁から。この番組は、社会の当たり前を支えてくれている人たちの声を、人情味あふれる六興村の隅っこにあるこの横丁からお届けするラジオです。 本日も温かいお話や苦労したお話、心に染み渡るお話、そしてこれからの未来につながるお話をお届けしてまいります。第3回目となる今回は、前回に引き続き、有限会社MIYABI 代表取締役の辻雅弘氏をゲストにお迎えし、対談形式でお届けします。今回のテーマは「在り方」。創業から20年、辻社長が大切にしてきた経営の原点とは何だったのか。コロナ禍を経て深まった「周りの人々を主役とする」という信念の物語、そして、社員の未来を共に描き、その夢の実現をサポートする新たな挑戦について語っていただきます。心温まる経営哲学の変遷と、人としての「在り方」を追求し続ける辻社長の飾らない言葉の数々を、どうぞお楽しみください。%3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F0qsfrO772KdzVeEnDr55Vi%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameBorder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E責任を負う立場だからこそ、真面目に取り組む段林:前回に引き続き、有限会社MIYABIの辻社長にお越しいただいています。前回は「最大の危機」というテーマで、社長の信念や、様々な思いが危機を乗り越えるエピソードに現れていたのかなと感じました。辻社長の中で、「こうありたい」「こう自分は決めている」という、揺るぎない「芯」のようなものはあるのでしょうか?辻社長:「芯」というような大それたものではないですが、このMIYABIという会社を作った時、私はもう、とにかく起業して自分が全ての責任を負う立場になると決めていたんですね。そうなった時に、私に関わっていただける人たちの全ての責任がのしかかってくると、私は思ったんです。だから、そこはやっぱりきちんと覚悟しなければいけないし、責任を取らなければいけないという気持ちがありました。段林:はい。辻社長:ですから、とにかく真面目にいようと決めました。何に対しても真面目に取り組もう。人に接するのも真面目に、お話をする時も真面目に話そう。いい加減な中途半端なことはするのをやめようと、これは決めていたんです。段林:覚悟を決めていたと。辻社長:大げさなものではないと思いますが、まず誠実でいようと。その「在り方」の1つに、「まず自分が一番」ではなく、自分の周りの人たちを優先しようという思いを持ってきましたし、今でもそう思っていますし、これからもそうです。自分が先に何かをするというのではなく、周りの人たちが先にそれをしてくれて、みんなに満遍なく回ったら、最後に自分はそうさせてもらおうかな、というような思いはありましたね。それが、この会社を運営していく上での「在り方」のまず基本になるところだと思っています。賃金が変わらない運送業界への疑問と改善への強い意志辻社長:人に優しくするのは当たり前のことじゃないですか。人に何かしてもらったら「ありがとう」と言うのも当たり前のことですし、悪いことをしたら「ごめんなさい」と言うのも当たり前のことです。こういうものをちゃんと言えるような会社にしよう、風土にしようと思ってきましたが、会社を作った時から最初からできていたのかと言われたら、できていません。間違いだらけだったと思いますし、嫌な思いをさせてしまったこともいっぱいあったと思います。本当にそれは反省していますし、申し訳ないなと思っています。段林:はい。辻社長:ただ、過去に戻ってやり直すことはできないですから、じゃあこれからどうするんだということを考えていかなきゃいけないなと思うので、これからそういう風にならないように、今でもできていないことはいっぱいありますけど、一つ一つ向き合っていこうという思いはあります。これが私のこれからの「在り方」であり、今までも大切にしてきた「姿勢」のようなものです。段林:はい。辻社長:運送会社って、若い時にお給料をもらっていて、当時は「まあまあ良いお給料」だと思っていたんです。しかし、その若い時と今とでお給料が変わっているかといったら、変わってないんですよ。何十年も前から変わらないでずっと据え置きで来ているんです。今の働いている方々の賃金も変わらないでいる。段林:そうなんですね。辻社長:これって異常ですよね。物価は上昇していくし、待遇も世の中変わっていくのに、賃金は変わりません。毎年お給料が変わらない。これって当たり前なのかと思ったら、私は当たり前じゃないと思うんです。なので、そういうところをやらないのかと自分に問いかけた時に、「いやいややるんだよ。やらなきゃいけないよ」と。じゃあいつから手をつけるんだと自問自答しながらずっと過ごしてきましたから、少しずつですが、それをしている最中ですし、これからもしていく途中だと思います。★コラム なぜ運送業界の賃金は「30年変わらない」のか? 1990年の大転換点辻社長は「何十年も前から給料が変わっていない。これは異常だ」と指摘しました。なぜ物価が上がる中で、運送業界の賃金だけが取り残されてきたのでしょうか? その最大の要因と言われているのが、1990年(平成2年)に施行された「物流二法」による規制緩和です。これにより、それまで免許制で守られていた運送事業が許可制へと変わり、新規参入が容易になりました。結果として、1990年に約4万社だった運送事業者は、20年余りで約6万社以上へと急増しました。 爆発的な業者数の増加は激しい価格競争(運賃のダンピング)を招き、「荷物は増えているのに、運賃が下がる」というデフレ構造が定着。これが、現場のドライバーの賃金が長年抑制されてきた歴史的背景です。段林:はい。辻社長:その水準というのを、毎年必ず会社の環境、風土もそうですけど、その対価というのも上げていかなきゃいけない。これ当たり前の作業だと思うので、まずそれをやらないといけないと思っています。ただ、その前に自分たちの社長の報酬だったり、役員の報酬だったり、幹部の待遇を上げていくのは、私は違うと思うんです。そうじゃなくて、ちゃんと働いている人たち、頑張って現場に行ってくれている人たちに、きちんとそれができた上で、じゃあ我々もちょっと報酬をいただこうか、という風にしていかないといけないんじゃないかなというか、そうしなきゃだめだなっていう風に今は思っています。「自分が一番」ではなく「周りが主役」であること段林:なるほど。辻社長:「在り方」っていうのは、自分が一番じゃなくて、そこに集ってくれている人たちがまず主役だし、その人たちがまず一番。その人たちのことを考えて運営していかなきゃいけないのが「在り方」だと思います。私、全従業員に、これから聞いていきたいなと思っていることがあります。今までも面談はしてきましたが、今後の面談の中で、「将来どうなりたい?」「どうしたい?」。例えば「何か欲しいものあるか?」とか。車が欲しいとか、家が欲しいとか、結婚したいとか、色々な思いや願いがあると思うんですよ。段林:はい。辻社長:それを各社員に聞いてみたいんです。聞いて、それを叶えていく、叶える手伝いをさせてもらうのが、私のこれからの役目なのかなと。そういうことを考えながら運営していかなきゃいけないところにいるのに、できていないのはおかしいなと、やっぱり思いますよね。そういうのを考えながら、いる、というか運営していくのが、私のこれからの「在り方」ですね。今までの「在り方」とこれからの「在り方」って、やっぱり変わってきますから。段林:「ギブの精神」というか、根底に強くあるのですね。★コラム 「ギブの精神」が最も成功する理由 ~書籍『GIVE & TAKE』より~辻社長が語る「自分が一番ではなく、周りの人たちを優先する」という姿勢。これは経営学や組織心理学の分野でも、成功の法則として証明されています。 ペンシルベニア大学の組織心理学者アダム・グラントの著書『GIVE & TAKE』では、人間を3つのタイプに分類しています。受け取る以上に与える「ギバー(与える人)」、与える以上に受け取ろうとする「テイカー(奪う人)」、損得のバランスをとる「マッチャー(帳尻を合わせる人)」です。興味深いのは、最も成功から遠い場所にいるのも、逆に「最も大きな成功を収める」のも、実は「ギバー」であるという事実です。自己犠牲だけのギバーは搾取されがちですが、「全体の利益」を考え、他者の成功を支援する「他者志向のギバー」は、周囲からの信頼と評判を集め、長期的には誰よりも大きな成果を手にします。経営の「在り方」が深まった、コロナ禍での気づきと出会い段林:その「ギブの精神」がより深まる転機のようなものは、これまであったのでしょうか?辻社長:ありましたね。ちょうどコロナになったじゃないですか。コロナが何だか分からなくて世の中が「なんだコロナって」となった、その前の年に、うちの会社の売上が急激に伸びていったんですね。伸びていった時に、「あれ、なんか怖いな」と思ったんです。今まで感じたことのないような怖さがあったんです。段林:はい。辻社長:お金がないとか、仕事がなくなるとか、そういう怖さではなくて、なんか船に乗っていて舵を切っているのに、舵が効かないみたいな、なんとも言えない怖さがあったんです。それで、なんだろうこの感覚と、当時担当していただいてた銀行の支店長にこの話をしたんです。段林:そうだったんですね。辻社長:私はコンサルタント会社って、何が真実で何がそうじゃないのかよく分からないので、ちょっと信用すると言っても難しいなと思っているので、闇雲に「こういう悩みがあるんですけどどうですか」って相談しづらいじゃないですかという話をしたら、支店長が「分かりました。ちょっと持ち帰らせてください」と言って、その話を持ち帰ったんです。段林:はい。辻社長:そして1日か2日後に連絡がきて、「社長、この前の話だけど、ちょっと社長に会わせたい人がいる。会ってみる?」と言われて、「ぜひ」と。それで会った方が、今うちをちょっと見ていただいている、経営や戦略的なもの、会社の「在り方」、考え方っていうのを、より分かりやすく教えてくれる会社さんだったんです。その会社さんと、コロナになった時にちょうど私ども出会って。段林:素晴らしいタイミングですね。辻社長:その年に、私、こういう怖い思いがあったので、業績とか仕事を取るとか増やすとかっていうのを一旦やめたんです。やめたというか、そこを重視しなかったんです。重視せずに、今やるべきことを考えようと。創業から年月が経つにつれて、ちょうどそういうことを考えさせられるような時期に、たまたまコロナというものが世の中で重なったんです。今思えばですよ。段林:はい。辻社長:うちのこの歴史、浅い歴史ですけど、その中で、ちょうど考えさせなきゃいけない時期と、そのコロナという世の中と重なったのが、我が社にとっては「そこでちゃんと考えるなさい」という時期と、「一服しなさい、休息しなさい。そして物事を考えて、これからのスタートをどうするのか考えなさい」という時期と重なったんです。段林:はい。辻社長:そう考えると、出会うタイミングもそうですし、世の中の情勢も、なんかこう重なり合ってくれるような感じがするんです。そういうところを受けたりすると、余計自分でこれからの「在り方」とか、そういうものを考えさせられるところですよね。この3年、4年の間っていうのは、ものすごく考えさせられたところです。もちろんこれからもそれは考えていかなきゃいけないですし、追いかけていかなきゃならないところですけど、ここってものすごく大切なところだなっていう風には思っています。段林:そうですね。そんなのが深まったタイミングで、我々も出会わせていただくという、めちゃくちゃ縁があったなと思います。辻社長:そうなんですよ。だから本当に不思議で。なぜ私のところの電話は取ったのか、繋がったのか。今でも営業活動の電話はありますけど、その電話はほとんど私取らないんですよ。繋がらないです。繋がらないのに、なぜ社長のところの会社の電話は取ったのか、繋がったのか。で、今こうしているわけじゃないですか。段林:不思議ですよね・・・!今日は「在り方」というテーマで、深くお話をいただきました。ありがとうございました。▼前回のエピソードはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/--j2zMp9▼六興ラジオ【社会インフラの横丁から】シリーズはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/category/rokko-radio