始まりました。社会インフラの横丁から。この番組は、社会の当たり前を支えてくれている人たちの声を、臨場感あふれる六興村の隅っこにあるこの横丁からお届けするラジオです。本日も温かいお話や苦労したお話、心に染み渡るお話、そしてこれからの未来につながるお話をお届けしてまいります。今回のゲストも前回に引き続き、高橋電設運送株式会社の髙橋佑介社長をお迎えしています。 前回、先代から「俺に任せろ」と啖呵を切って社長を引き継いだエピソードをお話しいただきましたが、今回はその直後に待ち受けていた「資金繰りの地獄」と「孤独な改革」について、赤裸々に語っていただきました。眠れぬ夜を越え、現在描いている2030年のビジョンとは。髙橋社長の覚悟に迫ります。%3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F5We3gjE2rpJOqaUthNeOCF%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameBorder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E100万円が足りない……母親の退職金に頼った夜段林: 今回のゲストも、高橋電設運送の高橋社長にお越しいただいております。よろしくお願いします。髙橋社長: よろしくお願いします。段林: 前回、ついに社長を「俺に任せろ」というところで引き継いで、まさに改革期というか、社長になったらこうしようと思っていたこと、自分なりに旗振りをしてやっていくという覚悟のもとスタートされたというお話でした。しかし、実際問題として、前回のお話の最後に「100万円足りない、どうしようもない」という話がありましたよね。髙橋社長: ありましたね。段林: 結構、引き継いでからお金の面で一番しんどかった、話せるエピソードってありますか?髙橋社長: 本当にしんどいとなると、もう「自分」というものがなくなって、どうにもならなくなるんですよ。母親が早期退職をしていて、学校の先生だったのである程度の退職金などを持っていたんです。「もう、それを借りるしかねえな」と。本当にそういう世界です。段林: すごいですね。でも逆に言うと、それぐらいしないとキャッシュが回らないという状態が、社長の名刺を持ってから直後ぐらいにあったんですか?髙橋社長: 去年ぐらいまでそのレベルで回していましたね。だからお金のストレスが長かったですね。1〜2ヶ月でなかなか改善できるものではないですから。段林: 去年までそのレベルで回していたんですね。髙橋社長: トラックをバンバン増やしていたので、キャッシュがめちゃくちゃ出ていってしまうんですよ。段林: ああ、なるほど。髙橋社長: 減価償却ですごいことになりますし、数字としても利益はすぐには良く表れないじゃないですか。そうすると銀行もすぐに「はい」と貸してくれるわけではないですしね。段林: いやあ、結構リアルですね。髙橋社長: 母親には「あんた大丈夫?」とすごく言われました。「私だって老後の生活があるんだけど」と。そりゃそうですよね(笑)。「大丈夫、大丈夫。俺が面倒見るから」と言って借りましたね。段林: すごいなあ。でも、本当にそういう資金繰りの面など、色々な部分をご自分で結構細かく見てらっしゃったということですよね。髙橋社長: そうですね。お金がないのも大変ですが、そういう素振りを見せられないのもまた大変でした。社長大丈夫?会社大丈夫?と思われるわけにはいかないので。結構大変でしたね。段林: ですよね。パッと眠れない時とかありましたか?髙橋社長: あります、あります。夜中とかにいきなりパッと目が覚めて、動悸がして起きるみたいな。「これ病気になっちゃうな」みたいな。そんなことは何度もありました。段林: そうなんですね。めちゃくちゃ汗かく、みたいな。髙橋社長: ありましたよ。でも、そういう経験もできて良かったなと今は思っています。人生、色んな経験をしておいた方が良い人間になれそうな気がするので。段林: なるほど。組織の痛みを伴う改革と、残ってくれた社員たち髙橋社長: あとは大変だったところで言うと、私が代表に代わってすぐに就業規則の見直しや、それに伴う給与改定を行ったんです。段林: はい。髙橋社長: やっぱり不利益変更になってくる部分があったので、全体面談や一人一人と面談してサインをもらって……ということを全社員とやりました。ずっと長く勤めてくれていた人も、それをきっかけに辞めていってしまったこともありました。そこはちょっと苦しい部分ではありましたね。段林: いやあ、そうですよね。髙橋社長: ただやっぱり、それを分かった上で残ってくれた人が大半だったので、組織としては強くなれたのかなという気はします。ただ、未だに社員に対する恩返し的なことはまだやりきれていないなという気がするので、会社としてしっかり体力をつけて、還元するものは還元してあげたいという気持ちはあります。今ちょっとまだその体力がないので、そこのジレンマはありますね。段林: そうですよね。でも、話だけ聞くと、元々十数台だったところから今一気に50台ぐらいまで、数年で持ってこられましたよね。数字だけで言うと、本当に順風満帆かのように聞こえますけどね。髙橋社長: 確かに、それだけ見るとそうですね。段林: 優秀な後継ぎで、しっかりやって……という感じに見えますね。ドライバーさんはご年齢的には社長に近い方が多いんですか? それとも低い方が?髙橋社長: 平均年齢で言うと、多分今40代前半とかぐらいで、私の年齢と同じぐらいなんですよ。ただ本当に70ぐらいの人もいれば、20代の子もいたりして、ボリュームゾーンで言うと30代ぐらいが結構多いのかなという気がしますね。段林: いいですね。髙橋社長: ベテランもいつつ、若手もいつつみたいな感じで。いい感じだと思います。ユニークな求人と、現場・経営の両輪段林: 結構、色々とYouTubeをやられたり、採用のページもすごくいいですよね。髙橋社長: あれはユニークでしょう?段林: ぜひ皆さん調べてみてください。すごくいいですよね、あの採用ページ。フランクな感じで。髙橋社長: あれは採用関係をやってくれている日産広告社さんという代理店さんにお願いしていて。段林: 皆さん、日産広告社さんだそうです(笑)。いいですね。先日、物流ウィークリーにも載っていましたけど、素敵な社内報もそこでやってらっしゃって、すごい素敵ですよね。【★コラム】業界のバイブル『物流ウィークリー』とは?記事中で「掲載された」と触れられていた『物流ウィークリー』。一般の書店ではあまり見かけませんが、実は運送業界では知らぬ者のいない、発行部数業界No.1を誇る専門紙です。 国内貨物輸送の9割を占めると言われるトラック運送業の情報を中心に、行政の動向からマニアックな車両部品、さらには「求荷求車(荷物とトラックのマッチング)」情報までを網羅しています。 この新聞に特集されることは、同業者や荷主企業に対して「しっかりとした管理体制を持つ優良企業」であると証明する名刺代わりのようなものなのです。髙橋社長: 求人に関して言うと、知り合いの運送会社さんに日産広告社さんを教えるとみんな成果が出ていたりして。「今やっぱり人がいない」と言われている中で、だいぶ成果が出ているという会社が多くて、すごくいい関係性でやらせてもらっているなという気がします。段林: だいぶクリエイティブですよね。ただやるんじゃなくて、滲み出ている感じがあって。髙橋社長: 社内報で言うと、今はWeb化していくのがスマホとかで見られるようにするのが当たり前な中で、あえて紙でやっています。最初はやっぱり手に取って、紙の感覚で味わってみてもらいたいなというところがあって。だからしばらくは紙で作っていこうかなと思っています。定着したらスマホとかで見られるようにしようかなと。段林: うちも紙でやってます。紙の社内報で。紙にこだわってやっているので、すごく大事だと思います。今後のお話しですが、もともと電柱のお仕事から広がってきて、今は電柱・足場があって、建材・材木があってという話から、さっきちらっとお肉の話がありましたけど、結構色んな仕事を増やしていらっしゃいますよね。もともとはユニック平ボディみたいなところが中心でしたよね?髙橋社長: そうですね。今は箱車、冷凍冷蔵の食品の配送とかもやっています。ただやっぱり現場の仕事、建材・材木の仕事って波があって、土曜日・日曜日に車が止まったりということもありますが、食品は365日動くので会社の1年後の数字がちゃんと見えやすいというところもあって始めました。段林: なるほど。じゃあその辺も数字を見ながら、自分で動きながらという感じですね。新しい分野の仕事の開拓はご自身で?髙橋社長: そうですね。当時は、それぞれの営業所長がやっていくという流れでした。毎月会議をやる中で、「こういうふうにしていこう」と。段林: じゃあ、営業所長さんもドライバーさんから育って上がってきた感じなんですか?髙橋社長: そうですね、元々ドライバーですね。段林: 今は営業所がここの本社と……。髙橋社長: その登記の営業所というところでいくと、本社だけですね。あと一個、拠点としては千葉北インターの近くにはあるんです。段林: じゃあそれぞれしっかり責任を持って、と言う感じですね。髙橋社長: そうですね。2030年、売上10億円へのビジョン段林: 未来的にはどれぐらいまで規模を増やしていくとかはあるんですか?髙橋社長: 直近においては、2030年に売上10億円突破したいっていうところを共有してやっているところなんですけど。段林: 残り5年ですね。今から倍弱ぐらい増やしてという感じで。髙橋社長: そうですね。管理者がこの人数でここまで来れたので、例えば管理者が増えていけば、もう加速度的にいけるなって気がするんです。とりあえず10億円を目指してやっていこうと。段林: なるほど。髙橋社長: で、それを目標にしているんですけど、この前お会いした人に話を聞いた時に、「会社の目標を10億円って設定するのはすごくいい」と言われました。「それをより社員に浸透させるためには、『こうなったら君たちはこういうふうになれるんだよ』というところまで具体化して伝えていくと、より広がりやすいよ」と言われて、「あ、確かに」と思って。段林: 大事ですね。髙橋社長: さっきのワタミさん(※前回の話題)の話に戻ると、ワタミは1000店舗あるじゃないですか。あれって会社として1000店舗ですけど、我々現場からすると「そうなったらどうなんだろう、私たちは」っていう感覚なんですよ。何か恩恵があるのかな、みたいな。段林: なるほど。髙橋社長: 確かに「すごいけど、社長が旗振ってるからやろう」みたいな、そんな感覚なんですね。それじゃいけないと思っています。会社として売上10億いった暁には……という、そこを具体化して具現化していくということも必要だなというのはすごく感じましたね。段林: そうですね。じゃあそこは今から考えていくところですね。髙橋社長: 下手なこと言えないっていうのもあるじゃないですか。「めちゃくちゃボーナス出すよ」みたいな、実際そうなった時にできるかどうか分からないことは言えないので。段林: そうですね。それにお金だけが全てじゃないですしね。 実際どうなっていくのかという言語化は必要ですよね。髙橋社長: そうですね。「社長」を育てたい。苦労を楽しめる経営者へ髙橋社長: 将来的なところでいくと、私は経営者としてすごい苦労した時間が長かったんですが、すごく楽しかったんです。その「経営者としての楽しさ」っていうのを伝えていきたくて、若手にも経験してもらいたいんです。なので、会社内で独立するみたいな人が出てくると面白いなっていうのは考えてますね。段林: 社長輩出、ということですね。髙橋社長: やっぱり「目的・目標があってやる」ってなった時にも、社長としてそこに取り組むのと、一社員として取り組むのとだとゴールが全然違ってくると思うので、そういう立場で物事を考えられるような人を作っていきたいですね。段林: 価値観も変わりますよね。僕は個人的に、前職でも子会社の社長をやらせていただいた時に一番価値観が変わったなっていうのが、自分で人を採用する立場になる経験でした。髙橋社長: ああ、なるほど。段林:当時は20代のぺーぺーで、「僕が描くビジョンやストーリー、予定に対して、実際に家庭を持っている人や夢を持っている人を仲間にして、一緒にやっていこうよ」という話をする。その人たちには生活があり、それぞれの人生があり、それを自分が受け止めないといけない。自分がその人の人生をより良くできると言ったらちょっと横柄だし、おこがましいですが、少なくともその一端を担う立場にはなるわけで。だから、僕の中ではこの経験を通して、価値観がかなり変わったなと思っています。髙橋社長: ああ、なるほど。段林: それがすごくいい成長の機会になったし、今もそれが楽しいから社長やってるっていう部分が自分の中ではあります。だからもしかしたら、「採用責任を負わせてみる」というところからスタートするとか、どうでしょうか(笑)。髙橋社長: ああ、なるほどですね。そこまでは今やらせてなくて、基本的に私のデスクの隣に座ってもらってるんですけど、それだけでも変わってきたなって感じがするんですよね。若手の成長がすごく最近は楽しいなというか、見ていて嬉しいなと感じます。今の話で言うと、採用の部分を任せてみると面白いかもしれないですね。段林: 前職では、「君が採用した人の奥さんや親御さんに何か手紙を書いてみなさい」と言われました。要は、それくらい責任感を持ってやりなさいという話ですよね。結局実行はしなかったんですが、その話がすごく印象に残っています。髙橋社長: 次世代を育てると言うことですね。段林: さて、そろそろお時間が来てしまいました。一見すると順風満帆かに見えたところでも、まだ直近でもすごくしんどかったというお話でしたが、それでもすごく朗らかにやれるんですね。あと僕がヤバイなと思ったのは、直近でも結構しんどかったのに「この社長の立場を味わってもらいたい」っていうところがドSだなと思いましたけど(笑)。でも、自分事としてどれだけ捉えるかですごく変わるっていう感覚は、僕も本当に共感します。それをやりながら、強い管理者ができてくる会社を作っていくということですね。髙橋社長: そうですね。だから大変ではありましたけど、ネガティブなものではなくて、結構勝ち筋が見えてたから「今は大変だけど絶対大丈夫」と、自信を持ってやってました。段林: 先が見えない不安というよりは、先が見えてる中での、まあ今は大変だけど大丈夫だよということですね。2030年、売上10億円への勝ち筋は今何%ぐらいでしょうか。髙橋社長: 全然いけるなと思います。今は半分ぐらいの売上ですが、管理者と共にやっていけばできると思います。最初一人でやっていた中でもある程度はできてきたので、同じ方向を向いて、考えを同じくしてやる人間が増えていけば余裕でいけるなという感じです。段林: すごい。じゃあ次は1年後ぐらいに進捗を聞きたいなと(笑)。定期的にぜひ色々伺いたいなと思いました。本当に今回、ひょんなことからこうやって、何の打ち合わせもなしに始まった収録で戸惑った部分もあったかもしれませんが、面白いお話と思いもよらないパワフルなお話、色々聞けてすごく良かったですし、個人的にはめちゃめちゃ学びになりました。今回もまた、ありがとうございました。髙橋社長: どうもありがとうございました。六興ラジオ【社会インフラの横町から】シリーズはこちら👇https://note.com/rokkojitsugyo_65/m/m6a5763e96fd5