始まりました。社会インフラの横丁から。この番組は、社会の当たり前を支えてくれている人たちの声を、人情味あふれる六興村の隅っこにあるこの横丁からお届けするラジオです。 本日も温かいお話や苦労したお話、心に染み渡るお話、そしてこれからの未来につながるお話をお届けしてまいります。第6回目のゲストは前回に引き続き、栃木県壬生町で運送業を営む有限会社MIYABI 代表取締役の辻雅弘氏。辻社長との対談最終回となる今回のテーマは「働くこととは何か」。働くことを「辛いこと」「苦しいこと」と捉えるのではなく、人生を豊かにする「楽しいこと」に変えるための、社長独自の価値観と人生哲学が語られます。社員の幸福を願う経営者の真摯な想い、そして運送業という仕事に秘められた社会的な使命感について、辻社長の熱い言葉を通じて感じ取ってください。%3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F0lkFhikuzg6AmdqOUaY6BJ%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameBorder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E「働く」を「人偏に、重いものを持って力いっぱい進む」と捉える段林:これまでの対談で、辻社長が大切にされている価値観や、心に響くさまざまなお話をお聞かせいただきました。本当にありがとうございました。最後のテーマは、少しざっくりとした質問になりますが、辻社長にとって「働くこと」とはどういうことでしょうか?辻社長:働くこと、ですか。もちろん、働かなくては生活できませんから、その意味で「働く」という言葉を使っています。つまり、労働をして対価をもらい、生活の主軸にするということですよね。ただ、「働く」という言葉にどう向き合っていくかを考えた時に、この漢字は「人偏(にんべん)」に「重い」「力」と書きますよね。人が重いものを持って、力いっぱい進む、というように私は解釈しているんですよ。段林:はい。辻社長:「働きに行かなくちゃ」とか「働く」と言うと、どうしても辛いイメージになりがちです。誰しも、働かないで生活できれば一番良いと思うでしょう。しかし、逆に働かないで毎日家にいて、ぐうたらしていたら、こんなつまらない人生はないと思います。人間は、楽しいことばかりだと、絶対に飽きてしまうものです。嫌なことや辛いことがあるからこそ、楽しいことが際立って、本当に「楽しい」と思えるようになるんです。辛いこと・苦しいことも「人生の一部」として楽しむ辻社長:結婚した時も、子どもたちが生まれた時も、世の中に出た時も、すごく嬉しいと思ったのは、人との関わりを持ったことによって、そういう感情が生まれてくるからですよね。その生活をする中で、「働く」というのはあくまで一部であって、本当は別に苦しいことでも辛いことでもないんですよ。ただ、労働している時間を「辛い」と思ってしまうと、苦しくなってしまう。だけど、これを人生の一部として考えると、それを楽しさに変えることは、本人の考え方次第でできるはずです。そして、楽しいと思えると、「こんな楽しいことをやってお金を稼げるなんて、こんな素晴らしいことはない」と思うようになるんです。段林:はい。辻社長:プロ野球選手やプロサッカー選手、プロのアスリートを見て、「自分の好きなことをやってお金を稼げてすごい、羨ましい」と誰もが思います。私だって思います。しかし、「こういう人は一握りだから」という表現をする人がいるのですが、私はそうは思いません。私どもだって、その「一握り」に入っていると思っています。というより、全部ひっくるめれば「一握り」なんかじゃない。アスリートの人たちだって職種が違うだけで「働いて」いるんです。その中で、楽しんだ人たちが、周りから見て「一握りの成功者」に見えるのかもしれない、という感覚を持っています。なので、そういう場を作ろうとしていない会社はそうなれないし、そういう人は集まってこないし増えていかない。段林:なるほど。辻社長:まずは代表者や幹部がそういう雰囲気のきっかけを作って、社員の人たちがそれをどう育てていくかだと思います。つまり、「働く」ということは、人生の中の一部でしかないんです。よくプライベートと仕事と分けて話されますが、私の中では「考えは同じだろうな」と思っています。人生の中で、お金をもらうにあたって、「働く」という手段を使っているだけですから。これはあくまで手段なんです。段林:そうですね。辻社長:仕事をする上で、嫌なことや辛いこと、本当に「大変だな」と思うことはいっぱいあります。いっぱいありますが、それも含めて楽しいですし、楽しみたいと思っています。実は、娘に言われたことがあって。会社でトラブルがあったり、私が少し不機嫌になったりして悩んでいた時、娘は小さい頃から私のことをよく見ていたんです。その娘が、「パパはさ、トラブルでムカつくとか言ってるけど、楽しそうだよね」って言うんです。「楽しいわけねえだろ!」と思いましたけど。「なんか怒ってる顔してるけど、楽しそうだ」と。「この子にはそういう風に見えるんだ」と思ったのと同時に、確かに私はこういうのを楽しんでいるなと思いました。またある時は「なんでこんなにトラブルが舞い込んでくるんだろうなあ」と言ったら、妻が「あなたはそういのが好きだから自分で呼び込んでいるんでしょ。」と言ったんです。確かに私は、「またこんなトラブルが舞い込んできたぞ、じゃあこれをどう攻めるか、どう考えてみるか」って思ったりするんです。楽しんでいる背中が、会社全体を変えていく辻社長:仕事もその延長線上にあるので、「働く」という表現をしますが、人生の中の一部なんだ、という風に思っています。ですから、社員のみんなにも同じような感覚でいていただければ、ますます良くなるだろうとは思います。ただ、社長として、押し付けることもできない、というのは難しいところです。ただ、私自身が仕事に対して楽しそうじゃなければ、社員が楽しいわけがない。私一人だけが楽しかったら、それも駄目です。同じ感覚を味わっていただきたいからこそ、心で向き合ったりしなきゃいけないなと思っています。段林:そうですね。辻社長:我が社の業種は「物を運ぶ」というのが主たる業務ですから、私は会社の中でSNSを活用する「広報課」を作ったんですよ。今はまだ手探りで少しずつ始めている段階です。なぜ運送会社なのに広報課を作ったかというと、人を集めるためや会社の宣伝をしようという考えだけではないんです。物を運ぶ会社が世の中に何ができるか、を考えた時、もちろん奉仕活動をするのも一つの地域への関わり方だと思います。栃木県という立地で運送業をやっていますが、栃木県は比較的災害が少ない地域です。段林:そうなんですね。辻社長:そして北関東といっても関東の真ん中ですから、物資もちゃんと供給されている。日本は島国ですから、いろんな所でいろんな災害が起きますよね。その時に、行政の手続きを踏んでいると、時間がかかったり、全てには行き届かなかったりということがあると思います。災害や緊急事態は、まさに緊急を要しています。もしその時、遠い栃木から離れた所の人が「困った」という言葉を直接聞けたら、その困り事を物を運ぶというもので解決できるんだったら、駆けつけるということができるな、と思っているんです。【★コラム】 栃木県の地理的優位性(災害リスクの観点)栃木県は北関東に位置していますが、大規模な地震や津波のリスクが高い沿岸地域(例:千葉県九十九里浜沿岸部など)や、首都直下地震の広域的な被害が想定される地域と比較して、比較的災害のリスクが少ない地域とされています。特に、地震による土砂災害リスクは、震源地に近い神奈川県などで顕著に見られました。辻社長が語るように、地理的に安定している地域に拠点を置く運送会社は、大規模災害が発生した際に、他の被災地への物資供給拠点として、また、物流の代替ルートの確保といった点で、高い社会的価値と即応性を発揮できる可能性を秘めています。社会から必要とされる会社へ辻社長:これが、我々が運送をやり続けられる上でのモチベーションなんです。こういうことをしていける会社に育てていく、そして、必要とされる会社になっていく。会社って、世の中から必要とされなければ、なくなっていくものだと思うんです。お金だけで、利益が出るからとか、儲かるから、と思って存続し続けるんじゃなくて、世の中の人に「この会社じゃなきゃ困っちゃうよ」「この会社がないと困るんだよ」と。今は困ってなくても、困る時が必ず来るんだ、なぜならばこの会社ってこういう特性を持っているんだ、という必要とされる意味合いが会社の中にあれば、衰退していくことはないと思っています。段林:そうですね。辻社長:そういう考えで、我々ができる一番のことは物を運ぶ。じゃあ運ぶんだったら、困っている人がいるんだったら、駆けつけるということをしていきたい。そのために広報課を作り、SNSを活用しながら、いろんな人たちと繋がりを持っていけたら、こんな素敵なことはないなと。困った時に直接連絡をいただければ、行く手段を考えながら、それをお届けしたり供給したりできる。これが全部ひっくるめると、私にとっての「働く」ということなんです。段林:なるほど。辻社長:こういう風に育てた会社を、次の世代になるか、その次の世代になるか分かりませんが、必ずそういうことができるような会社に育てていく。これが私の「働く」ということなんです。段林:ありがとうございます。社長の信念にあるのは、「人を信じる」ということや、自分たちの器を広げていけば、周りに「ギブ」ができる、恩返しやいろんなことができる「輪」が広がっていく、そういうことを会社の成長と共にさらに広げていく、ということなんだと感じました。それが社長にとっての「働く」ということだし、自分たちができることを増やしていく。そして、その輪の中にいる社員さんも、心が正しく、しっかりできている、そんな会社作り、組織作りができていらっしゃるのだなと感じました。辻社長:ありがとうございます。段林:辻社長、様々なお話をいただき、本当にありがとうございました。6回に渡り、有限会社MIYABIの辻社長との対談をお届けしました。辻社長のユニークな創業秘話から、「働く」ことへの深い洞察まで、心に響く言葉の数々でした。次回からは新たなゲストをお呼びして、社会インフラを支える人々の声をお届けしていきます。▼前回のエピソードはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/xvgTl0r-▼六興ラジオ【社会インフラの横丁から】シリーズはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/category/rokko-radio