始まりました。社会インフラの横丁から。この番組は、社会の当たり前を支えてくれている人たちの声を、人情味あふれる六興村の隅っこにあるこの横丁からお届けするラジオです。 本日も温かいお話や苦労したお話、心に染み渡るお話、そしてこれからの未来につながるお話をお届けしてまいります。第4回目のゲストは、前回に引き続き、有限会社MIYABI 代表取締役の辻雅弘氏です。人の人生や経営を左右する「運」は、偶然訪れるものなのか、それとも自ら引き寄せる必然なのか―。 創業から事業成長に至るまで、様々な局面で辻社長が感じた「運」と、その背後にある日々の行動や習慣、そしてその哲学が社員にまで波及している驚きの企業文化について、熱い対談をお届けします。%3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F2zOP0cd1XHeFwe8L2pdYjj%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameBorder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E経営者の「運」は、日頃の行いが決める段林: 前回、「在り方」についてのお話を伺いましたが、そんな「在り方」を持たれている辻社長は、会社を創業し経営していく中で、色々と導かれていると感じることも多いのではないでしょうか。一般的には「運」という言葉で表現されることもあるかと思いますが、辻社長ご自身の「運」に対する考え方や、意識されていることはありますか?辻社長: 「運」って目に見えないじゃないですか。ですから、どういうものが「運」なのか、私には明確には分かりません。ただ、私が思う「運」というのは、日頃の行いだと思っているんです。日頃の行いが良ければ、やはりそういった良い方向に導かれるでしょうし、そうなっていくでしょう。しかし、良いことが起きたから「運が良かった」という風にばかりは思っていません。これは私個人の感覚ですが、私は今まで、「運が悪くはなかったな」と思っています。ただ、だからといって「自分は運がついてるから」「運が良いから」と言って、安易に物事を考えたり、運任せにしたりするようなことはしてきませんでしたし、そういう生き方はしていません。トラブルも「楽しい」に変える思考辻社長: 人生を生きていると、色々なトラブルが起きたり、嫌なことが起きたり、つまずいたりするじゃないですか。こういったものも、私は「悪いこと」と捉えていないんです。むしろ、何か楽しくなってきちゃうんですよ、そういうものが起きるとなぜかワクワクしちゃうんです。ワクワクして、「さあ、これどうやって片付けようかな?」「さあ、これにどうやって向き合おうかな?」って思うんです。ずっとそんなことを考えているわけではないですが、そういう風に物事を考えて取り組むと、楽しくてしょうがないんですよ。トラブルが起きているのに、そのトラブルが楽しくてしょうがなくて。段林: なるほど。辻社長: そして、そのトラブルが解決し終わると、「ああ、これ俺運が良かったなあ」って思うんです。「こういうトラブルが自分の目の前に来たっていうことは、俺またちょっとこの経験しちゃったよ」って思っちゃうようなところもあるので、決して良いことばかりが「運が良い」とも思っていないんです。段林: 前回お話しいただいたコロナ禍やニュースの話も、ある意味「そういうタイミングで運が味方になってくれたこと」がきっかけになったり、後から振り返れば「あれに気づかせてもらって良かった」となったりしますよね。「神様」に導かれたとしか思えない出来事段林: ここまでの経営の中で、「運に導かれたな」と思う出来事は他にありますか?辻社長: 誰かに常に導かれているような気がしていますから、どれが「運」なのかは分かりませんが、一つ印象的な出来事があります。私は子供の頃から、親に連れられて実家に行くと、必ず仏様や神棚がありましたし、お墓参りにも行っていました。自然と神仏に携わる生活環境にあったので、親元を離れてからも、自分から神社仏閣や先祖のお墓には行っていたんです。 ある時、私の娘がソフトボールをやっていて、大学で三重県の方に遠征に行ったんです。段林: はい。辻社長: その時、私は応援として付いていったのですが、時間があったので、妻と二人で周辺を調べてみたんです。そしたら、和歌山県に熊野本宮大社があることを知って、「ちょっと行きたいな」と。私は神社やお城が大好きなので、行ってみたんです。そこで、私は神社に行ってもお願い事はせず、「来させていただきありがとうございました。無事生きています」という感謝の気持ちしか伝えないのですが、その帰り道に伊勢神宮を通ったんです。その時、初めて伊勢神宮に行ったのですが、「何てところなんだ」と思いましたね。段林: そうなんですね。辻社長: まったくもって空気感が違うんですよ。鳥肌が立つような感覚でした。「ああ、なんか、自分もっとちゃんとしないと駄目だな、しっかりしなくちゃ駄目だな、ちゃんと背筋を伸ばさなきゃいけないな」と思わせられるような空気感でした。段林: おお。辻社長: 帰宅後、ちょうどその年に、うちの会社がグンと伸びたんです。これはたまたまかもしれませんが、ある取引先の社長さんも伊勢神宮に行ってから順調に伸びたそうで、「あれ、伊勢神宮に行ってからじゃないですか?」と従業員に言われたそうです。段林: すごい偶然ですね。辻社長: そうかどうかは分かりませんが、そういった流れに導かれている気がしたんです。そして、たまたまそのタイミングが、うちの会社がそういった時期に重なったことと、娘がたまたまソフトボールで三重県に行ったこととが重なった。その流れで私も付いて行き、伊勢に行った。これが「運」と言われれば「運」でしょうし、「ちょっと来なさいよ」と呼ばれたのか、「来てもいいよ。もうそろそろあなた来てもいい人になったんじゃないの?」と言われたのか。それは分かりませんが、そういった流れの中に、私も入れたのかなと今は思っています。「運」は目に見えないからこそ、トラブルが起きても、良いことがあっても、全ては巡り合わせであったり、なるべくしてなっていることもあるでしょうし、そうならないものは自分の日頃の行いでそうなっているもんだと思っています。段林:そうですね。辻社長: 会社に神棚があるんですが、毎朝水を取り替える時に、「昨日も無事でした、ありがとうございました」と手を合わせます。運送業はいくら気をつけていても毎日事故と隣り合わせなんです。うちの従業員が無事に帰ってきたというのが一番の幸せですから、「昨日も全員無事に帰ってきました」と、そこに神様がいるかは分かりませんが毎日やっています。お正月に除夜の鐘が鳴ると、近所の神社に行ってお参りしてお札をいただいてきて、会社の神棚に置いてお酒をあげて手を合わせて、「一年間ありがとうございました、今年もお願いします」と言ってから寝るんです。段林:ほお…!辻社長: そういうことをやっていると、運がいいことも悪いことも、全て自分にとって、「肥やしになるようなことが起きている」「自分の人生にとってプラスになることが起きている」んだと。今はマイナスな出来事が起きていても、このマイナスで勉強したことが、必ず将来的に役に立つことがあるんだと思うと、すべてが「運」というか「導かれている」、「勉強させられていること」なんだなって思いますね。私にとって運とはそういうものですね。★コラム 「伊勢に七度、熊野へ三度」に込められた信仰 辻社長が訪れた「熊野本宮大社」と「伊勢神宮」は、日本の神道における二大聖地です。古くから「伊勢に七度、熊野へ三度、どちらが欠けても片詣り」ということわざがあるほど、両社は対で信仰されてきました。伊勢神宮は日本の総氏神・天照大御神を祀り、国家の繁栄を祈る場、熊野本宮大社は「蘇りの地」として、身分や性別を問わず人々の救いを求める信仰を集めてきました。この二つの聖地を巡ることは、単なる旅行ではなく、自己を見つめ直し、精神的な成長を促す「導き」の旅とされてきた歴史があります。社長一人では会社は良くならない。全員で作る社風。段林: 辻社長のお話を聞くと、「日頃の行い」があり、その「巡り」があるというのを感じます。そして、その「日頃の行いを良くする」という考え方が、社員さんにも根付いているのではないかと感じました。以前、御社にお邪魔した時に驚いたのですが、ウェルカムボードがあったり、オフィスのレイアウトも独特でしたね。普通は向かい合わせにするデスクを、社員さんが全員ドア側に顔を向けているような形で並んでいる。そういうものも、すべて積み重ねなのだろうなと思うのですが、社員さんにまでそういった考えを浸透させているのでしょうか。辻社長: 私は、「私がすべてを指示したり、私が会社を作っているんじゃない」と思っています。私はお金を出して登記をした代表としての権利を持っているだけで、会社を運営していくのは社員のおかげです。「カリスマ社長」とか「社長の力が強いから」という会社もありますが、うちは全くそんなことはありません。どっちかというと、みんなに支えられて、私が倒れないで立っていられているようなところがあります。段林社長がそう感じられた机の並びも、元々はああいう並びじゃないんですよ。背中を向けていたり、横を向けていたりもしていました。段林: そうですよね。辻社長:しかし、ある時、うちの本部長が「全員、向こう(入口)を向いて並べてみたらどうですか?」と言ったんです。「そうすれば、お客さんが入ってきた時に全員が見えます」と。会社によっては、お客さんが来ても誰も挨拶しなかったり、「どうも」ぐらいだったり、邪魔臭そうにしたりするような雰囲気のところもありますよね。でも、私の考えとしては、せっかく足を運んで、時間とお金をかけて来てくださったんです。感謝の気持ちは当たり前ですよね。なぜなら、私が行けばお金がかかる。来ていただくのはタダですから。段林: はい。辻社長:だから、私はお客様を外でお見送りする時に、必ず「ありがとうございます。また来てください。助かります、来ていただけると」と伝えています。最初、私はそれを一人でやっていたんです。誰にも「みんなでやろうぜ」とは言わず、一人でやり続けていたら、それを見ていた本部長や他の従業員が、ある時、自発的に「お客さんが来たら全員立とうぜ」となったんです。段林: すごいですね。辻社長: 今、うちの社員はお客様が「こんにちは」とドアを開けると、全員パッと立ち上がって「いらっしゃいませ」と言うんですよ。最初、私でさえ「ここなんか洋菓子屋か何かになっちゃったのかな?」という感覚だったのですが、今はもう当たり前になりました。ウェルカムボードも、あれは私じゃないんです。お客様に来ていただくんだから、こうしたら良いんじゃないかと、社員が自発的に書くようになった。「お越しいただきありがとうございました」「ごゆっくりお過ごしくださいませ」といった、カフェのような雰囲気の言葉を、社員が自分で書くようになったんです。段林: 素晴らしい文化ですね。社長の信念や考えが、伝播していっているように感じます。辻社長:昔は至らないところもたくさんありました。でも、至らないままで終わらせずに、良くしていこう、進化していこうという風に思っています。社長一人ではその会社の雰囲気は作れません。この会社を良くしようと思ったら、「私に頼らないで」と皆に言っています。「私に言ったって給料は上がらないし、会社も良くならないし、雰囲気も良くならないですよ」と。「この会社を良くしたいと思うのだったら、皆さんで良くしてください」と。みんなの会社なんだから、みんな一人ひとりがそう思わなければ良くならないし、給料を上げたい、いっぱい報酬をもらおうと思ったら、みんなで考えて仕事に取り組まなければ無理です、と。段林: なるほど。辻社長:だから、「社長が悪い」とか「給料が上がらない」とか「会社はこういう雰囲気だ」といった不満を私に言っても直りませんよ、と。「皆さんで直してくださいね」と言っています。その代わり、「皆でこういうこと試したい、やりたい」と言うのだったら、多少お金がかかっても「いいよ、やってください。失敗してもいいから」と。失敗したらまた考えましょう、と言います。段林: 社長一人では会社は変わらない、というお考えですね。社長はお話好きなのに、打ち合わせの時は同席されても話されないですよね?それはルールとして決められているんですか?辻社長: ルールではないですが、私が主導で話してしまったら、周りが経験できないし育たないですよね。だったら、黙って聞いておいて、どんな話をするんだろう、どんな風に進めていくんだろう、どんな失敗をするんだろう、どんな成功が待っているんだろうなって見ていたほうがいいですよね。まずそこで皆さんに考えてやってもらって、その結果どうだったっていう議論の中に参加していったほうがいいのかなって。段林: ありがとうございました。運の話から始まり、それが行動、そして企業文化にまで繋がっているというお話、非常に興味深かったです。実は、まだ伺いたいことがたくさんあるのですが、そちらはまた次回のお楽しみにということで。辻社長: ありがとうございました。▼前回のエピソードはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/cfMbYCDN▼六興ラジオ【社会インフラの横丁から】シリーズはコチラ👇https://www.rokko-jitsugyo.co.jp/news/category/rokko-radio